「妊活中に食べない方が良い食品や、摂るのを避けた方がいい栄養素はある?」という疑問をお持ちのあなたへ。
実は、普段何気なく食べている食品の中には、妊娠を妨げる可能性があるものも含まれています。
原因不明の不妊に悩まされている人は、知らず知らずのうちに妊娠を遠ざける食生活を送ってしまっているのかもしれません。
そこで今回は「妊活で控えたい食品や栄養素」についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
妊活で控えたい食品&5つの栄養素
妊活中に気をつけたいのは、排卵や妊娠の妨げになる可能性のある食品や栄養素です。
特に妊活中に摂るのを避けたいものとしては「精製された炭水化物」「トランス脂肪酸」「低脂肪の乳製品」「カフェイン」「アルコール」の5つが挙げられます。
では、それぞれ詳しく解説していきましょう。
精製された炭水化物
妊活で控えたい食品や栄養素の1つ目は「精製された炭水化物」。
代表的なものに、白米や小麦粉、砂糖などが挙げられます。
なぜ「精製された炭水化物」を避けた方が良いのかと言うと、玄米や全粒粉など、精製されていない炭水化物に比べて、血糖値の上昇が激しくなってしまうからです。
血糖値が急激に上がると、血糖値を一定に保つために膵臓からインスリンが分泌されます。
血糖値の乱高下が繰り返されると、膵臓がインスリンを分泌し続けるため、血中にインスリンと結合しやすいテストステロンが増えてしまうのです。
テストステロンは、男性ホルモンの一種。
女性の場合、テストステロンの値が高くなると、排卵障害や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を引き起こす原因になることもあるので、注意が必要です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、女性全体の6%~8%ほどに見られる症状で、多嚢胞性症候群(PCOS)の人の卵巣を超音波検査で調べると、真珠のネックレスのようにいくつも連なった卵胞が確認できます。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)になると、どの卵胞も排卵できる大きさまで育たずにいくつも溜まってしまうため、不妊の原因になります。
トランス脂肪酸
妊活で控えたい食品や栄養素、2つ目は「トランス脂肪酸」です。
代表的なものに、マーガリンやショートニング、食用植物油などが挙げられます。
トランス脂肪酸を摂取すると、排卵や妊娠に悪影響があると言われているため、できるかぎり摂取しないようにするのがベストです。
トランス脂肪酸は安価で保存もきくため、ファストフード店などで利用されることが多いと言われています。
ファストフードや揚げ物ばかり食べている人は特に注意しましょう。
ただし、油は油でも身体に良いとされている油もあります。
それが「不飽和脂肪酸」と言われる油。
代表的なものとしては、オリーブオイルや亜麻仁油、ごま油、ピーナッツオイル、鮭やサバといった魚の油などが挙げられます。
油を一切摂らないようにするのではなく、トランス脂肪酸の摂取を削減し、不飽和脂肪酸を摂るようにすることがポイントです。
低脂肪の乳製品
妊活で控えたい食品や栄養素、3つ目は「低脂肪の乳製品」です。
代表的なものに、低脂肪牛乳や低脂肪ヨーグルトなどが挙げられます。
「脂質が心配だから」「低脂肪の方がヘルシーだから」という理由で選んでいる人もいるかもしれませんが、妊活中の女性にとってはオススメできません。
なぜかというと、低脂肪の乳製品を摂取することで、卵胞の成熟や排卵を妨げる可能性が高まるからです。
乳製品の脂肪分には、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが多く含まれています。
一方、残りの部分に多く含まれているのは、アンドロゲンという男性ホルモン。
つまり、低脂肪の乳製品を多く摂取すると、男性ホルモン過多になってしまうということです。
排卵障害のリスクを低減させるために、妊活中の女性は、無調整の乳製品を選ぶようにしましょう。
カフェイン
妊活で控えたい食品や栄養素、4つ目は「カフェイン」です。
代表的なものに、コーヒーや緑茶、紅茶、エナジードリンクなどが挙げられます。
適量であれば問題ありませんが、たくさん摂取してしまうのはNG。
なぜかというと、カフェインには尿の量を増やす利尿作用があるため、大量に摂取すると子宮を冷やしてしまう原因になりかねないからです。
また、中枢神経を刺激し興奮状態にする作用もあるため、眠りが浅くなる原因になることも。
カフェインの摂取量に関して、カナダ保健省(HC)は、「妊娠を予定している女性は最大300 mg/日(コーヒーをマグカップで約2杯)まで」と、2010年に注意喚起を行っています。
妊活中はコーヒーや紅茶を飲む頻度を減らす、カフェインレスの飲み物に変更する、就寝前のカフェイン摂取を控えるなど、工夫を心掛けましょう。
アルコール
妊活で控えたい食品や栄養素、5つ目は「アルコール」。
代表的なものに、ビール、日本酒、ウィスキーなどが挙げられます。
アルコールは適量の摂取であれば、ストレス解消や血行促進に役立ちますが、過剰摂取は禁物。
過度な飲酒が続くと、女性の場合は無月経になったり、子宮内の乾燥から性交痛を感じたりすることがあります。
また、男性の場合は精子の量の減少や、質の低下、EDになる可能性も。
厚生労働省は、節度ある適度な飲酒量として「1日平均純アルコールで約20g程度」としています。
アルコール20gとは、ビールなら中ビン1本、日本酒なら1合、チュウハイ(7%)なら350mL缶1本、ウィスキーならダブル1杯分です。
ただし、一般的に女性は男性よりもアルコールを分解する速度が遅いと言われているため、適度な飲酒量はさらに少ないと考えてください。
お酒好きな人は、なるべく量を減らす、飲む日を減らすなどの工夫が必要です。
「妊活で控えたい栄養素や食品」まとめ
今回は「妊活で控えたい食品や栄養素」についてご紹介しました。
最後に「妊活で控えたい5つの栄養素や食品」をまとめてみましょう。
- 精製された炭水化物(血糖値が急激に上がり、血中にテストステロン(男性ホルモン)が増える。排卵障害や多嚢胞性卵巣症候群の原因になる可能性も)
- トランス脂肪酸(排卵や妊娠に悪影響を及ぼす可能性がある。「減らす」のではなく「摂取しない」のがベスト)
- 低脂肪の乳製品(脂肪分に含まれる女性ホルモンが取り除かれているため、男性ホルモン過多に。卵胞の成熟や排卵を妨げる可能性が高まる)
- カフェイン(不眠や、子宮を冷やす原因に。1日の摂取量はコーヒー約2杯に留める)
- アルコール(女性の場合は無月経、男性の場合は精子の量や質に悪影響が出る可能性も。摂取量の目安は、1日平均純アルコールで約20g程度まで)
あまり神経質になりすぎるのも良くありませんが、白米を玄米に変えたり、低脂肪牛乳ではなく無調整の牛乳を選んだりと、無理のない範囲で工夫してみるのがオススメです。
ぜひ前向きに食事改善に取り組んでみてくださいね。